スタッフからの現場だより

2014-06-14 シロアリ

ムネアカオオアリ 安曇野市穂高有明

今日は安曇野市穂高有明にある別荘地以内に行ってきました。

ご相談内容は「大きなアリが家の中を歩きまわっている」

「2Fの寝室で寝ていると柱を噛む音が聞こえる」

この内容をお聞きして、すぐにわかったのが「ムネアカオオアリ」です。英語名で「CarpenterAnt」=<大工蟻> 体長が8mmもある大きい蟻で胸の部分がエンジ色をしています。昆虫図鑑には九州原産と書かれていますが、物流の発達で全国各地に分布していると思われます。

ムネアカオオアリ(c)関東白蟻防除

ムネアカオオアリ(c)関東白蟻防除

以前、当社のグループ会社の関東白蟻防除の橋本くんと富士見町で取り組んだレポートがこちらに記載されています。

http://blog.woody.co.jp/article/14001688.html

今日は非破壊検査器「ターマトラック」を持参してみたので、2F寝室の窓辺の床にターマトラックを設置して検査してみると反応することから壁内で活動していることが分かりました。

非破壊検査機での調査

お施主様は市販の粉状ベイト剤を購入して対応されて居ましたが効果が持続しないと仰ります。実はこれは良くお聞きすることで、蟻は糖質とアミノ酸質を好む時期が変わるようで、市販のものはこの好みに中々合わず喰い飽きる傾向があります。また粉状のベイト剤は小型の蟻では口に入れることが出来ず巣に持って行けないため効果が発現しません。

住宅を加害するのはシロアリが有名ですが、クロアリも油断禁物です。今回のムネアカオオアリは地域的に集中して被害事例が多い所があります。この安曇野市穂高有明も非常に相談が多い場所です。ムネアカオオアリが住宅に侵入すると壁や屋根の断熱材の中に巣を作ろうとします。その過程で家の中に落ちてるエサを探します。そのようにして基礎などからフェロモンにより良く通う蟻通が出来ます。そして営巣が進むと土壌を持ち込むようになり、壁の中で卵を産みます。これにより壁の中は湿潤になり、土壌から持ち込まれた腐朽菌が繁殖し木造躯体の柱や土台が腐ります。腐朽した所をムネアカオオアリの頑丈な大顎で木材を穿って営巣しやすい道筋を拡大していきます。(その過程で木材の削りカスが堆積することがあります)  住宅の湿気は暖かい気流と一緒に壁の上部や屋根に流れることから壁の断熱材や屋根の断熱材の中に巣を作っていきます。

以前の事例では白馬村の別荘地内で80mmの床断熱材(PFS)がそっくりそのままムネアカオオアリの巣だった事があります。断熱材の上の床仕上げは30mmのパイン材だったのにΦ40mm程度の穴も開き、室内に冬期も含めてムネアカオオアリが徘徊していました。その他、梁が腐って交換した事例や、屋根断熱を剥がして駆除した例などもあります。

これが不思議なことに全国の害虫業者の皆さんに同様の事例が無いか聞いてみたところ群馬の業者さん以外に聞いたことがないというのです。ここからは推測ですが、東北になると寒さで生息していない可能性がある。西日本だと断熱の施工法が昔は適切で無い可能性が高い。群馬・長野は寒いので断熱施工がそれなりに発達し、生息できる北限なのではないだろうか、と思っている。

siroarisoudanweb

↑シロアリも怖いですが、クロアリさんも怖いですよ~   
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