スタッフからの現場だより

2014-06-09 シロアリ

基礎断熱シロアリのアタック!(松本市南原)ベイト工法で成功!!

いやぁ、今日も暑いですね~  ちょっと動いただけでも汗が出てきます・・・ 梅雨の中休み。太陽が気持ちいいです。

今日は昨年にお声がけ頂きました基礎断熱工法住宅の点検に行ってまいりました。築20年のソーラーサーキット住宅で外側にカネライトで外基礎断熱されています。当時としては断熱気密に優れたお家で非常に快適にお過ごしになっていたそうです。しかし!昨年南側の掃き出しサッシから大量の羽アリが・・・ そこで非破壊のシロアリ検査機「ターマトラック」を持ってお邪魔しました。

非破壊検査機での調査

ターマトラック(TTD=Termite Trac Ditector)はオーストラリア製の検査機器。ちょっと設備費用が高いので、長野県内では当社にのみ配備されているそうです(マニアですね) これが配備される前は、基礎断熱はもちろん、壁の中の様子を推定することが出来ず「ちょっと剥がしてみてもらえませんか?」というような事に。でも剥がしたところで「ハズレ」っていう場合もあるんですよ・・ そうすると剥がし損で修復費用が発生するわけで申し訳ない感じでした。ところが、このマニアックな検査機器を導入したおかげで、基礎断熱内や壁内などを動くシロアリが発生する音を拾うわけです!アコースティック・エミッションと言います。賢いですね~ 今回もこの検査器具を使って羽アリが発生した掃出窓直下の基礎断熱を測定すると僅かに反応する所を発見!マーキングしてベイト工法による御見積を提示して後日施工に伺います。

報告書

報告書

これが昨年度設置した際の報告書です。マーキングしていた部分の基礎断熱仕上げモルタルを剥がします。うっすらと蟻道が見えてきました。40mmあるカネライトをクリヌキます。断熱材木口に蟻道の木口がいくつか見えましたが、活発な蟻道をカットすると兵蟻が防衛のために頭を出しますが、今回は出てきませんでしたので羽アリを脱出させるためだけの蟻道だったのかも・・ それでもベイト剤を水でしっかり練り上げAGS(Above Groud Station)という地上設置型監視ステーションに充填し設置してきます。その際ステーションと基礎断熱にスキマができないようにベイト剤で埋めます。その他に敷地内には3Mピッチにセントリコン・オールウェイズアクティブというベイト剤を設置し監視モードに入ります。この時は1か月後のAGS点検ではベイトの摂食はありませんでした。

AGS(Above Ground Station)

AGS(Above Ground Station)摂食状況

これが今年のAGSの摂食状況です~  どうです、1kgあったベイト剤がすっからかん!よくお食べになりました。職蟻が摂食し、女王やコロニーの隅々で働く仲間にも給餌してくれるわけです。ベイト剤はほぼ全てが純度の高いプロテイン(アミノ酸)で出来ていて、シロアリの活動に必要な水もタップリと練ってあります。だから美味しくて仕方ないんですね。でもこの餌の中に僅かに脱皮を阻害する薬剤が入っているんですが、脱皮する時に「あれ、ちょっと上手く脱げないんですけど・・・」って感じで駆除されていきます。仲間はそれに気づきません。そうしてスローに薬剤がコロニーじゅうに広まっていき完全駆除が出きるのです。今日点検に行く前に「今年の羽アリは飛びませんでしたか?」って聞いて、「そういえば今年は飛びませんでした!」と伺っているので安心して行けるのですが。因みに脱皮阻害剤は脱皮する昆虫にだけ効く仕様になっていて、脱皮しない哺乳類には全く効きません。

最近の建築工法は様々です。特に基礎断熱や土間床など、シロアリ駆除には難しい工法が沢山あります。昔は床下に隅々まで潜って、被害部分を実際に目で見て、手で確認しながら確実に薬剤による施工が出来ましたが、最近は上記のように被害部分が見えない、見えていても床下が換気対象区域だったり暖房区域だったり、薬剤が散布できない場面もあります。その中でベイト工法は対処できる工法として選択肢の一つになりえます。ただし、「選択肢のひとつ」で絶対的ではありません。そこが難しいところですよね~   今回のベイト工法による駆除は大成功!で、めでたし・めでたし、でした。

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